2019年11月11日から11月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2019年11月の新刊 中」を掲載しました。
今回は、祥伝社文庫から刊行される、樋口有介さんの本格時代小説、『変わり朝顔 船宿たき川捕り物暦』を紹介します。
青春小説や探偵小説などで活躍している著者が、2004年に初めて発表した本格時代小説作品です。2007年にちくま文庫から刊行された『船宿たき川捕物暦』を改稿修正して改題したもの。
元奥州白河藩士の倅・真木倩一郎は江戸随一の剣客。倩一郎に前藩主の御落胤の噂があり、新藩主・松平定信から帰参を乞われる。倩一郎は目明かしの総元締の娘、お葉を助けたことから、幕府も揺るがす暗闘に巻き込まれ…。
(【「TRC MARC」の商品解説】より)
ちくま文庫版刊行時に、江戸情緒あふれる船宿を舞台に、スケールの大きなプロット、魅力的な主人公、青春小説のもつ瑞々しい感覚など、面白く読んだことが思い出されます。シリーズ化を期待した作品の一つです。
第2作も復刊してほしいですし、今回の祥伝社文庫での新作を発表されることを期待します。
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『変わり朝顔 船宿たき川捕り物暦』(樋口有介・祥伝社文庫)
樋口有介|時代小説ガイド
樋口有介|ひぐちゆうすけ|作家1950年7月5日-2021年10月23日。群馬県前橋市生まれ。國學院大學文学部哲学科中退。様々な職業を経験後に、昭和63年(1988年)、『ぼくと、ぼくらの夏』が第6回サントリーミステリー大賞の読者賞を受賞し...