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ミステリの老舗から、〈ハヤカワ時代ミステリ文庫〉創刊

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ハヤカワ時代ミステリ文庫、創刊ミステリの老舗・早川書房から、9月10日に、〈ハヤカワ時代ミステリ文庫〉が創刊しました。

創刊ラインナップは、稲葉博一さんの『影がゆく』、稲葉一広さんの『戯作屋伴内捕物ばなし』、誉田龍一さんの『よろず屋お市 深川事件帖』の3点です。

『影がゆく』は、戦国時代を舞台にした冒険小説。

浅井家の遺児・月姫の命を奪おうとする魔人信長から姫を逃すため、精鋭の武士と忍者が選ばれた。一行は越後上杉家へ向かうが、道中を秀吉の命を受けた忍び「黒夜叉」が襲う…。

『戯作屋伴内捕物ばなし』は、江戸の怪異の謎を解く、本格捕物小説。

美人で知られる町娘がかまいたちに喉笛を切られて死んでしまう。しがない戯作屋・伴内のもとに怪事が持ち込まれる。伴内とその仲間たちが、江戸で起こる怪奇がらみの謎を、鮮やかに解き明かす、愉快で痛快な捕物ばなし。

『よろず屋お市 深川事件帖』は、深川を舞台にした、ハードボイルド時代小説。

不審な死を遂げた養父万七の跡を継いで、よろず請け負い稼業を始めたお市。駆け落ち娘の行方捜し、不義密通の事実、ありえない水死の謎、記憶のない女の身元、持ち込まれた難事に、万七に教え込まれた体術と探索の極意で挑みます。

カバーを外して、薄緑色の文庫を手に取ると、まだ若くて、時代小
説の面白さに気がつく前、ハヤカワ文庫の作品を愛読していたころを思い出します。
ディック・フランシス、ジャック・ヒギンズ、ジョン・ル・カレ、ロバート・B・パーカー……。若い頃に、良質の海外のエンターテインメントミステリに出合ったことが、今の自分を作り、時代小説に親しむようになってからの土台になっているように思います。

さて、〈ハヤカワ時代ミステリ文庫〉の創刊ラインナップを見ると、早川書房の最大の特長である、ミステリの興趣を知り尽くした、編集者の目利きぶりがいかんなく発揮されているように思います。

忍者(スパイ)が跋扈する戦国冒険小説、江戸の私立探偵が活躍するハードボイルドミステリー、完全犯罪の捕物(本格推理)小説。いずれも、ハヤカワが得意としてミステリのジャンルを想起させます。

時代小説に、「ミステリ」としての愉しみを加えた〈ハヤカワ時代ミステリ文庫〉に大いに期待したいと思います。新進気鋭の作家たちの競演にワクワクします。

〈ハヤカワ 時代ミステリ文庫〉創刊!|Hayakawa Online

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『影がゆく』(稲葉博一・ハヤカワ時代ミステリ文庫)
『戯作屋伴内捕物ばなし』(稲葉一広・ハヤカワ時代ミステリ文庫)
『よろず屋お市 深川事件帖』(誉田龍一・ハヤカワ時代ミステリ文庫)