宮本紀子(みやもとのりこ)さんの文庫書き下ろし時代小説、『跡とり娘 小間もの丸藤看板姉妹』(ハルキ文庫)を入手しました。
著者の宮本さんは、2012年、「雨宿り」で第6回小説宝石新人賞を受賞しデビュー。吉原の妓楼の借金取り立て屋を描いた『始末屋』などで注目される新進気鋭の時代小説家です。
江戸の真ん中、日本橋伊勢町の小間物商「丸藤」は、紅やおしろい、櫛やかんざしなど、きらびやかな品揃えが自慢の大店だ。その「丸藤」の娘ふたりのうち、幼いころから病弱で品川で暮らしていた姉の里久が、年頃を迎え、家族のもとに戻ってきた。ところがその里久、漁師町の暮らしにすっかり染まり、まっすぐな物言いと大店の娘らしからぬ立ち居振る舞いで、実の母も妹・桃も戸惑うばかり。だが、里久の底抜けの前向きさが、閑古鳥が鳴き始めていた店を少しずつ変えていって――。おてんばな娘と小町娘の妹、看板姉妹の物語。
(本書カバー裏の紹介文より)
品川の漁師町で育った姉・里久は、十七歳。育ての母が亡くなったことを機に実家に戻ります。日本橋の老舗小間物商である「丸藤」には、実の父と母、二つ違いの妹・桃がいます。
慣れない大店の跡取り娘としての生活に戸惑い、失敗の連続ながらも、持ち前の向日性の性格で、次第に店と家族を変えていきます。
きめ細やかな心情描写と瑞々しい筆致で展開される、大江戸ガールズ小説の誕生です。
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『跡とり娘 小間もの丸藤看板姉妹』(宮本紀子・ハルキ文庫)