2019年1月21日から1月31日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2019年1月の新刊 下」を掲載しました。
今回は、角川文庫から刊行する、田牧大和さんの『縁切寺お助け帖』を取り上げます。
江戸時代、上州の満徳寺とともに縁切寺法により幕府より許された「縁切寺」として東慶寺。離縁を望む女性が寺に駆け込み、寺で一定期間生活することで、離縁が成立しました。
本書はその縁切寺を舞台に、その寺にやってくる女性たちと彼女らの幸せを実現させるために奔走する女剣士や尼僧たちを描いた、痛快な時代小説です。
役者に大店の主、暴力男――。その縁、切って差し上げます。
鎌倉・東慶寺は、縁切寺法を公儀より許された「縁切り寺」だ。寺の警護を担う女剣士の茜は、尼僧の秋と桂、寺飛脚の梅次郎らとともに、離縁を望み駆け込む女子の幸せの為に奔走する。優しく爽快な時代小説!
(Amzon.co.jp 内容紹介より)
「縁切り寺」と知られる鎌倉・東慶寺を舞台に時代小説としては、井上ひさしさんの『東慶寺花だより』、宮本昌孝さんの『影十手活殺帖』などが想起されます。
女性は男性側の追手から逃げて、東慶寺に駆け込むことができるのか、ハラハラドキドキもあり、「縁切り」に至るまでの男女の人間ドラマが描かれていて、面白く読める作品です。読み比べてみるのもおすすめです。
■Amazon.co.jp
『縁切寺お助け帖』(田牧大和・角川文庫)
『東慶寺花だより』(井上ひさし・文春文庫)
『影十手活殺帖』Kindle版(宮本昌孝・講談社文庫)