2018年12月21日から12月31日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2018年12月の新刊 下」を掲載しました。
今回は、中公文庫から刊行する、あさのあつこさんの『闇医者おゑん秘録帖 花冷えて』に注目しています。
『闇医者おゑん秘録帖』に続くシリーズ第2弾です。
江戸の町、竹林に囲まれたしもた屋で、産んではいけない子どもを孕んだ女たちを受け入れ、子堕ろしを行ってきた「闇医者」のおゑん。複雑な事情を抱えてやってきた者たちに、おゑんは救いの手を差し伸べます。
竹は女の樹だ。細く、風に容易くしなってしまう。けれど、容易く折れはしない――。江戸の片隅の竹林を背負った家で、「闇医者」として子堕ろしを行うおゑん。彼女は、ひたむきに信じた愛や、幼き日より育んだ友情を失い、怒り、惑う女たちに助けの手を差しのべる。異国から流れ着き薬草に精通する末音と、情を交わした男に殺されかけた過去を持つ見習いのお春とともに。
いきさつのある女たちの再生を描く、人気シリーズ第二弾。
子を堕ろすためやってくる女たちの身と心を診る、闇医者のおゑんの言動から目が離せません。
女性ゆえの悩みや不条理という重いテーマを扱っていますが、辛い思いを経験しながらも、やがて立ち直っていく強さに目を向けて、明日を生きていく糧にしたいと思います。
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『闇医者おゑん秘録帖 花冷えて』(あさのあつこ・中公文庫)(第2作)
『闇医者おゑん秘録帖』(あさのあつこ・中公文庫)(第1作)