葉室麟さんの長編時代小説、『草雲雀』(実業之日本社文庫)を入手しました。
時代小説家の葉室麟さんが2017年12月23日に亡くなられてから、もうすぐ1年が経とうとしています。没後、何点か作品が出版されていますが、新作を執筆されることはもうないという事実がとても淋しく、残された作品のどれもが愛おしく思います。
媛野藩の藩士、栗屋清吾は女中のみつと深い仲になるが、妻として娶ることは認められていない。そんな時、道場仲間の山倉伊八郎から自分の用心棒になるよう頼まれる。伊八郎が藩の筆頭家老になるには清吾の剣の技が必要だという。子どもを持ちたいというみつの願いに応えるため引き受けたが、伊八郎と対立する派閥からの刺客が次々と襲い掛かり……。
(本書カバー裏紹介より)
本書の主人公、栗屋清吾は、媛野藩(ひめのはん)で百五十石の馬廻り役の家の三男で、二十八歳ながら部屋住みの身の上。
片山流の秘技の伝授を受けた剣術の遣い手ながら、小心な律義者で剣技を誇ることができずに、養子話からも縁遠く、女中のみつと深い仲になったこともあり、屋敷で肩身を狭く暮らしていました……。
愛する者のために、心ならずも剣を振るうことになった清吾。
葉室ワールドをじっくりと堪能したいと思います。
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『草雲雀』(葉室麟・実業之日本社文庫)