誉田龍一(ほんだりゅういち)さんの文庫書き下ろし時代小説、『暁に奔る 御庭番闇日記』(双葉文庫)を入手しました。
本書は、万延元年(1860)に、幕府の遣米使節の副使(正使は新見正興、目付は小栗忠順)として海を渡った幕末を代表する能吏、村垣淡路守範正(むらがきあわじのかみのりまさ)の若き日を描く、文庫書き下ろし時代小説です。
八代将軍吉宗に供奉して紀州から江戸城に入って以来、代々御庭番を務める村垣家。その家督を継いだ十九歳の範正は、拝命早々に将軍家斉の御前に呼び出される。直々に命じられたのは、売り惜しみをする商人と結託し米相場を乱す幕府内の不届き者を炙りだすこと。鋳掛け屋に身をやつし、江戸市中に潜った範正は、市井の人々と触れあいながらも悪を追い詰めていく――。
村垣家というと、時代小説ではおなじみの御庭番の家ですが、御庭番としての村垣範正に注目した作品はほとんどなかったように思います。
本書でどんな活躍ぶりが描かれ、それが後にどのように出世に役立っていくのか、想像が膨らみます。
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『暁に奔る 御庭番闇日記』(誉田龍一・双葉文庫)