箕輪諒(みのわりょう)さんの痛快歴史時代小説、『殿さま狸』(祥伝社文庫)を入手しました。
著者の箕輪さんは、丹羽家の敗者復活劇を描いた『うつろ屋軍師』で作家デビューし、幻の軍師白井浄三と上杉謙信軍との攻防を描いた『最低の軍師』で啓文堂書店時代小説大賞を受賞して注目されています。
本書は、豊臣秀吉の腹心、蜂須賀小六の嫡男で阿波蜂須賀家の祖となった家政の活躍を描く、痛快な戦国時代小説です。
豊臣秀吉の親衛隊黄母衣衆の蜂須賀家政は、齢二十八にして阿波国十七万五千石を任された。なぜ父ではなく己に。父小六は秀吉の腹心であり、木曽川の川並衆の頭領でもある名称だった。武家にはない川並衆の自由な発想でくにを育てる家政。ところが関ヶ原の合戦で御家存続の窮地に――阿波の狸と称される若き大名が、東西両軍を化かす天下一の奇策を放つ。
蜂須賀家政は、戦国小説でもこれまでほとんど描かれなかった武将のひとりです。
これまでよく知らなかった武将の活躍ぶりに心を躍らせ、その人物像をあれこれ空想を膨らますことにはこの上ない楽しみがあります。
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『殿さま狸』(箕輪諒・祥伝社文庫)
『うつろ屋軍師』(箕輪諒・祥伝社文庫)