納言恭平(なごんきょうへい)さんの代表作をオンデマンド印刷で復刊された、『七之助捕物帖 第一巻』(捕物出版)を入手しました。
本書の主人公七之助は、江戸中の御用聞の中でも、一番の捕物名人の名を謳われた父・又五郎の株を譲られながら、まだ一度も、御用らしい御用をつとめたことがありませんでした。
又五郎が死んで責任のある身になっても乱行ぶりが改まらず道楽がやめられない体たらくぶりです。
その七之助が、巾着切り上りの乾児(こぶん)の音吉に尻を叩かれながら、捕物を始めていきます。
納言恭平の代表作、七之助捕物帖を、77年ぶりに現代仮名遣いに改めて単行本化。
昭和15年に「ユーモアクラブ」への連載が開始された「七之助捕物帖」。その作品の水準の高さは広く認められ、著者の納言恭平は捕物作家クラブの発起人の一人ともなるが、捕物小説の単行本出版がブームとなる直前の昭和24年に逝去されたため単行本化が進まず、七之助捕物帖は納言恭平の代表的な作品と認識されながらも、その全貌は知られていなかった。
納言恭平さんは、昭和24年に捕物作家クラブの発起人のひとりになった、昭和の前半に活躍した時代小説家です。
と書きながらも実は、捕物出版さんからオンデマンド印刷により復刊されることを知るまで、捕物作家の納言さんのことを知りませんでした。(勉強不足で恥ずかしいばかりですが…)
ちなみに、このオンデマンド印刷版の本は、サイズはA5判です。通常の単行本は四六判なので、それよりも少し大きい判型となります。ペーパーバックの無線綴じでサイズの割に軽くて取り回しやすくて、本文の文字も大きくて読みやすく感じました。
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『七之助捕物帖 第一巻』オンデマンド印刷版(納言恭平・捕物出版)