2018年11月1日から11月30日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2018年11月の新刊 上」を掲載しました。
今回は、PHP文芸文庫から刊行する、諸田玲子さんの『帰蝶(きちょう)』に注目しています。
夫・信長が、神をも畏れぬ所業に手を染めていく。歯止めをかけるべく、出身である美濃の家臣たちの期待を一身に背負った正室・帰蝶(濃姫)は、残虐さをあらわにしていく夫に怯えながらも織田家の奥を束ね、したたかに、たくましく生きていく。
そんな帰蝶が心を許せるのは、美濃衆と、心の友とも言えるあの男だった……。
そして起きた本能寺の変――。信長に叛旗を翻したのは、帰蝶の従兄・明智光秀。
光秀に最後の決断を促したのは、一体誰なのか。織田家の要となった帰蝶の運命はいかに。大胆な発想を交え、女の目線から信長の天下布武と本能寺の変を描き切った衝撃作。
再来年2020年のNHK大河ドラマは、明智光秀を主人公にした『麒麟がくる』です。長谷川博己さんが主演します。光秀とともに、信長や帰蝶も主要な役割を演じ、本能寺の変がヤマ場の一つとなることが予想されます。
大河ドラマにあわせて、光秀に関連する時代小説、歴史小説が多数刊行されることを楽しみにしています。本書は、ドラマ放送までに読んでおきたい、光秀が登場する時代小説の一冊です。
なお、2019年1月からは中村勘九郎さんと阿部サダヲさんが主演、宮藤官九郎さんが脚本の『いだてん~東京オリムピック噺~』が放送されます。
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『帰蝶(きちょう)』(諸田玲子・PHP文芸文庫)