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元禄バブルをもたらした、勘定奉行荻原重秀の死の謎を描く

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闇の峠諸田玲子さんによる長編時代小説、『闇の峠』(新潮文庫)を入手しました。

本書は、元禄期から勘定奉行として貨幣改鋳に携わり、五代将軍綱吉や側用人柳沢吉保に重用された、辣腕の勘定奉行荻原近江守重秀の死の謎を描いた時代ミステリーです。

享保19年夏、旗本・根来長時の妻せつは、屋敷を突然訪れた町奉行、大岡越前守を出迎える。大岡は夫に『兼山秘策』を読んだかと問う。そこには二十余年前に勘定奉行・荻原重秀が幽閉された死んだとあった。死の直前、せつは生家の庭で彼を見かけたのだった。殺めたのは、佐渡奉行に昇りつめた父なのか。真相を追い、せつは佐渡へ。

重秀は、正式な手続きを経ずに、金銀の含有量を大幅に減らした粗悪な貨幣で、新井白石ら敵対する者たちから激しく攻撃された人物です。サスペンスに満ちたストーリー展開とともに、その人物像がどのように描かれているか、期待が膨らみます。

この作品は、2016年3月に新潮社から刊行された『風聞き草墓標』を文庫化に際して改題したものです。

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『闇の峠』(諸田玲子・新潮文庫)