植松三十里(うえまつみどり)さんの近代歴史長編、『大和維新』(新潮社)を入手しました。
植松さんの傑作長編小説『志士の峠』で、光を当てられた維新の先駆け、天誅組。
少年の頃に、その影響を強く受けて、「大和」の独立と近代化を目指して、明治新政府に立ち向かった、今村勤三の生涯を描く歴史秘話に興味を覚えます。
「勤、大和の誇り忘れるべからず」
師は13歳の今村勤三にそう書き遺し、天誅組と共に散った。やがて明治。維新を先駆けたはずの奈良県は廃藩置県を経たのち大阪府へと吸収され、災害復興も後回しの屈辱的地位に置かれた。議員となった勤三は師の無念と民の怒りを受け、大和の再独立のために立ち上がる。
蓬田やすひろさんの装画も美しくて、紙の本の良さをあらためて認識しました。
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『大和維新』(植松三十里・新潮社)
『志士の峠』(植松三十里・中公文庫)