永井紗耶子(ながいさやこ)さんの長篇小説、『横濱王』(小学館文庫)を入手しました。
2010年、第十一回小学館文庫小説賞を受賞し、『恋の手本となりにけり』(文庫化に際し、『部屋住み遠山金四郎 絡繰り心中』と改題)でデビューし、『帝都東京華族少女』などの著作がある、永井紗耶子さんの最新文庫作品です。
昭和十三年。青年実業家の瀬田修司は、横濱一の大富豪から出資を得ようと原三渓について調べ始める。三渓は富岡製糸場のオーナーで、世界最高ランクの生糸を生産していた。
関東大震災では横濱復興の先頭に立ち、私財を抛って被災者の救済にあたった。茶の湯に通じ、三渓園を作り市民に無料開放。日本画の新進画家を育成……と、身辺を嗅ぎ回っても醜聞は見つからず、瀬田は苛立つ。
やがて、三渓と話を交わす機会を得た瀬田は少しずつ考えを変えていく。少年時代の瀬田には、三渓との忘れ得ぬ出来事があった。
三渓園を作り、市民に開放したことで知られる、国内有数の大富豪、原三渓。
本書は、関東大震災から太平洋戦争の終戦まで、大正から昭和初期(近代)を舞台に、すごい男、三渓の人間像に迫る、歴史時代小説です。
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『横濱王』(永井紗耶子・小学館文庫)
『部屋住み遠山金四郎 絡繰り心中』(永井紗耶子・小学館文庫)