前日は天童駅から、バスで作並温泉に向かい、ニッカウヰスキーの宮城峡蒸溜所を見学し、その夜は仙台に宿泊しました。
NHK連続テレビ小説「マッサン」のモデル、竹鶴政孝は、昭和42年に広瀬川と新川が合流する、この地を訪れて、北海道余市に続く第2の蒸溜所を建設することを決定します。
南東北の旅の最終日は、仙台駅から白石駅にやってきました。
白石市(しろいしし)は、仙台市と福島市の中間に位置し、宮城県内の市として最南端にあたります。
江戸時代、白石には伊達政宗の重臣の片倉景綱(小十郎)が入り、明治維新まで片倉氏の城下町として栄えました。
戊辰戦争の際、仙台藩が奥羽越列藩同盟の盟主になると、白石城に列藩同盟公議府が置かれました。戊辰戦争の敗北により、仙台藩が瓦解すると、片倉家主従は岩出山伊達家主従、角田石川家主従らと共に北海道へ移住しました。
片倉家主従は現在の登別市および現在の札幌市白石区などを開拓し、「白石(しろいし)」という地名が北海道に残ることになります。
山本周五郎さんの短篇小説に、『白石城死守 (講談社文庫)』があります。
主君伊達政宗から白石城の留守を任された浜田治部介と五十一騎。白石城は直後、上杉の猛攻を受けるが、治部介は援軍を頼まず籠城を決意する……。
[map addr=”宮城県白石市益岡町1-16″]
さて、片倉家の居城白石城は、別名益岡城(桝岡城)と呼ばれ、白石市の中心部にあった平山城です。現在は歴史探訪ミュージアムが隣接され、近くの武家屋敷とともに、観光スポットとなっています。
歴史探訪ミュージアムでは、3Dハイビジョン・シアターで、奥羽越列藩同盟秘話「賊にはあらず」を視聴しました。明治維新という激動の歴史の中で、白石城を舞台に、奥羽越列藩同盟に加わった同盟諸藩の武士たちがたどった無念の想いを描いた感動作です。
官軍側で世良修蔵も登場します。物語の世界に感情移入してしまい、泣いてしまいました。
中村彰彦さんの短篇時代小説集、『禁じられた敵討(文春文庫)』には、長州藩士世良修蔵を描いた「上役は世良修蔵」と二本松少年隊の悲劇を描いた「木村銃太郎門下」が収録されています。
司馬遼太郎さんの短篇「斬殺」(『故郷忘じがたく候』収録)でも世良修蔵は散々な描かれようです。
白石では、名物の温麺(白石うーめん)を賞味して、東京への帰路につきました。
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『リタとマッサン (集英社文庫)』(植松三十里)
『白石城死守 (講談社文庫)』(山本周五郎)
『禁じられた敵討 (文春文庫)』(中村彰彦)
『新装版 故郷忘じがたく候(文春文庫)』(司馬遼太郎)