夏休みを利用して南東北を旅して、福島県二本松市を訪れました。
戊辰戦争150年の今年(2018年)、二本松市は二本松少年隊を特集した、記念事業を行っています。
会津の白虎隊ほどの全国的な知名度はありませんが、二本松少年隊の奮戦ぶりは目を瞠るものがあります。早乙女貢さんの『会津士魂 九 二本松少年隊』ぐらいしか思い浮かびませんが、時代小説でもっと取り上げられてもよいように思います。
二本松は、高村光太郎の詩「智恵子抄」で知られる、妻智恵子の出身地で、詩に登場する阿多多羅山(安達太良山)を望む地に開けた町です。
二本松歴史資料館では、江戸から明治維新にかけて二本松を治めた丹羽家の歴史資料などを見ました。
織田信長の重臣丹羽長秀を祖とする丹羽家は、寛永二十年に長秀の孫,丹羽光重が陸奥白河より入封しています。
丹羽光重の父、長重は、箕輪諒さんの戦国時代小説『うつろ屋軍師』で、名軍師・江口正吉とともに描かれています。
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その後、日本100名城にも選ばれている二本松城(霞ヶ城)と二本松少年隊の墓がある大隣寺などを見て回りました。
インパクトのある黒い×印、丹羽家の家紋「直違紋(すじかいもん)」をたくさん目にしました。
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二本松で思い出される時代小説に、安部龍太郎さんの『維新の肖像 (角川文庫)』があります。
二本松藩士の子として生まれ、米イェール大学で日本法制史などを教えた歴史学者朝河貫一博士を描いた作品です。
朝河は、「平和の提唱者」として、昭和16年11月、日米開戦の回避のため米大統領ルーズベルトから昭和天皇への親書の草案作りに取り組みました。
戦争と平和の意味を考えさせられる印象深い作品です。
JR二本松駅からバスで20~30分ぐらいで、安達太良山の麓にある、岳(だけ)温泉は自然に囲まれた名湯で宿泊にもおすすめです。
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『会津士魂 九 二本松少年隊 (集英社文庫)』(早乙女貢)
『うつろ屋軍師 (祥伝社文庫)』(箕輪諒)
『維新の肖像 (角川文庫)』(安部龍太郎)