2018年3月1日から3月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2018年3月の新刊 上」を掲載しました。
今回取り上げるのが、徳間文庫です。
柏田道夫さんの『つむじ風お駒事件帖』は、2000年に単行本で刊行された、『疾風独楽 つむじ風お駒事件帖』の文庫化。なぜ文庫化されないのか、ずっと不思議に思っていた時代小説の待望の文庫化です。
単行本刊行時の紹介文はこちら。
名人と言われた四代目松井源水を父にもつ曲独楽師「ひらがなげんすい」ことお駒は、おきゃんで一本気な十五歳。前髪を垂らし、茶筅形に束ねた総髪の男装で舞台に立つお駒を、妖しい二人連れが見ていた。彼らの狙いは母の形見の鬼の根付らしい。尾行されたお駒は、仕返しに亡き母親譲りの手口で巾着を掏るが、中には謀を暗示する書き付けが入っていた。折しも江戸では香具師殺しが連続で発生しており……。
作者の柏田さんは、映画「武士の家計簿」などの脚本家として活躍。もっと、時代小説を書いてほしい作家の一人です。
藤原緋沙子さんの『番神の梅』は、親子の情愛、望郷の念など、下級武士の生活を通して描いた、心に沁みる作品。
麻倉一矢さんの『討幕の密勅: 雅や京ノ介』は、姉・後桜町帝の密命を帯びて、江戸へやってきた京ノ介の活躍や如何に。幕府と朝廷の水面下の暗闘を描く好評シリーズの第3弾です。
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『つむじ風お駒事件帖』(柏田道夫・徳間文庫)
『番神の梅』(藤原緋沙子・徳間文庫)
『討幕の密勅: 雅や京ノ介』(麻倉一矢・徳間文庫)