「時代小説SHOW」の2017年時代小説ベスト10の【単行本部門】を発表しました。
【単行本部門】のベスト10の第1位は、帚木蓬生さんの『守教 上・下』です。
戦国期から幕末の開国まで、イエズス教(キリスト教)の教えを守り抜いた、九州・筑後の小さな村の隠れキリシタン秘史。
宣教、禁教、殉教…、布教の目覚ましい拡大を史実を織り交ぜて描く上巻。一転して下巻ではキリシタン暗黒時代を描きます。密告の恐怖、公開処刑の残虐さ、信仰への迷い、教えを棄てたと偽りながらも信念を曲げない隠れキリシタンたちの姿に、途中で涙が止まらなくなりました。
史実に寄り添いながらも、信仰に命を捧げる人たちを血が通った等身大の人として、しっかりと描いています。私はその教えについて全くの門外漢でしたが、本書を通じて多くのことを知り、深い感銘を覚えました。
7位から10位は、以下の通りです。
7位 『鳳凰の船』 浮穴みみ 双葉社
8位 『遠縁の女』 青山文平 文藝春秋
9位 『煌』 志川節子 徳間書店
10位 『裏関ヶ原』 吉川永青 講談社
です。
2位~6位が気になる方は→こちらをどうぞ。