名古屋では、以前から行ってみたかった熱田神宮詣でをしてきました。
熱田神宮は、歌川広重の「東海道五十三次」に「宮 熱田神事」として描かれ、東海道五十三次の41番目の宿場宮宿がありました。
熱田神宮の門前町として栄え、海路の「七里の渡し」で桑名宿と結ばれて、東海道で最大の宿でした。
高橋克彦さんの『天狗殺し 完四郎広目手控』の表紙にも使われています。
『天狗殺し』は、巷の噂を売り買いし、瓦版を発行して一儲けする、江戸の広告代理店・広目屋「藤由」とそこに居候する剣の達人・香冶完四郎が活躍する、シリーズ第2弾です。完四郎と戯作者の仮名垣魯文が、尊皇攘夷の風が吹き荒れる京都の世情を取材すべく東海道を旅立ちます。道案内に雇われたのは、土佐の坂本龍馬です。
熱田神宮には、日本三大土塀の一つとして有名な信長塀があります。信長が桶狭間の戦い出陣の際、熱田神宮に願文を奏して大勝しました。その御礼として瓦ぶきの塀を奉納しました。
境内に出店している宮きしめんをおやつ代わりにいただきました。
宮宿は、平岩弓枝さんの『はやぶさ新八御用旅(一) 東海道五十三次』や梶よう子さんの『お伊勢ものがたり 親子三代道中記』にも登場します。
翌日は、少々無理をして池鯉鮒宿から鳴海宿の二里三十町(約十一キロメートル)を歩き一泊。
その次の日には宮へと到着した。
宮宿は東海道でもっとも旅籠の数が多く、熱田神宮への参拝者や、桑名への渡し舟を待つ者など往来は行き交う人であふれている。
(『お伊勢ものがたり 親子三代道中記』)
神宮詣での後は、宮の渡し公園で七里の渡しの遺構を見て、あったか蓬莱軒のひつまぶしを食べながら、江戸の昔に思いを馳せました。
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『天狗殺し 完四郎広目手控』(高橋克彦・集英社文庫)
『はやぶさ新八御用旅(一) 東海道五十三次』(平岩弓枝・講談社文庫)
『お伊勢ものがたり 親子三代道中記』(梶よう子・集英社文庫)