井の中の井守(いのなかのいもり)さんの『信長の妹が俺の嫁 3 戦国時代に芽吹く命と散る命』がフロンティアワークスのノクスノベルスから刊行されました。
史実とはちょっと違う、パラレルワールドの戦国時代を仲間たちと生き抜く歴史ファンタジーの第3弾です。
パラレルワールドの戦国時代に転移し、戦国大名“浅井長政”となってしまった男子学生、深井長政。彼は、信長の妹で絶世の美女“市姫”と毎日を過ごしつつ、領地を拡大するため奔走していた。
そんな中、身内の手引きにより周辺国連合が領地に侵略してきてしまう。窮地に陥る長政だったが、信長率いる織田軍が突然登場して救援したことにより、長政は見事周辺国連合を打破する。
実はこの信長の救援は、竹中半兵衛の自分を犠牲にした提案によるものだった。そのため、半兵衛は信長にその身を捧げようとするが、長政に説得され、信長の忖度もあり、半兵衛は長政の仲間になることを決めるのだった。
前作では、軍師として知られる、竹中半兵衛が可憐な女性という設定にびっくりしました。今巻の見どころは、第六天魔王・織田信長が登場するところ。その強烈なキャラクターがどのように描かれるか、興味津々です。
「義弟殿、紹介しよう。これは我が正室、帰蝶である」
俺は、本当に自分の網膜が正常に機能しているのだろうかと心配になりながら、目の前の女性を眺めていた。
(『信長の妹が俺の嫁 3 戦国時代に芽吹く命と散る命』P.202より)
市姫が懐妊し、その報告のために信長のもとを訪れた長政は、信長の正室・帰蝶を紹介されます。長政は、その容姿を見て激しく動揺します。
史実とは異なる、パラレルワールドの戦国時代が展開されていくところが面白いです。次の展開が読めずに、先へ先へとどんどんページを進めたくなります。
お馴染のはずの著名な人物たちもパラレルワールドの戦国時代では、ステレオタイプな描写にとどまっておらず、油断ができません。
本書は、ライトノベルを卒業した、20代~50代の男性を読者対象にしているために、青年向けの暴力や性表現にも踏み込んでいます。
表紙装画や挿絵は、イラストレーターの山田の性活が第一さんが、作品の世界観をビジュアル化しています。時代小説が苦手という若い読者にもおすすめです。
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『信長の妹が俺の嫁 3 戦国時代に芽吹く命と散る命』
『信長の妹が俺の嫁 2 戦国時代に架ける心と明日』
『信長の妹が俺の嫁 戦国時代で愛する妻と楽しく生きよう!』