2017年4月21日から4月30日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2017年4月の新刊 下」を掲載しました。
今回注目するのは、新潮文庫です。
北原亞以子さんの『乗合船 慶次郎縁側日記』は、2013年に逝去した著者の傑作シリーズの最終巻です。
かつて「仏」と呼ばれた腕利き定町廻り同心森口慶次郎は、最愛の娘を不幸な事件で亡くした傷を心に隠し、家督を婿養子の晃之助に譲り、根岸で隠居の身。今日も江戸の市井の人々の苦しみに耳を傾け、解決のみちすじをさりげなく示すのだった。そんな慶次郎の元に、婿養子の晃之助が急襲されたとの一報が届くが……。
これで「慶次郎縁側日記」シリーズの新作が読めなくなると思うと、寂しさが募ります。
いつも以上に作品の世界に浸っていたいと思います。
青山文平さんの『春山入り』は、藩命により友を斬るための刀を探す武士の胸中を描く表題作をはじめ、短篇6篇を収録した珠玉の武家小説集。『約定』(新潮社・2014年8月刊)を改題したものです。
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『乗合船 慶次郎縁側日記』
『春山入り』