2017年4月1日から4月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2017年4月の新刊 上」を掲載しました。
毎月、時代小説ファンの心をつかむ、新刊を刊行してくれる文春文庫から、今月も楽しみな作品が出ます。
澤田瞳子さんの『若冲』は、鮮やかな色彩と精緻な描写で見る者を圧倒する、奇想の画人伊藤若冲の半生を新解釈で描いた芸道小説の傑作です。
第153回直木賞候補作品で、『この時代小説がすごい! 2016年版』の単行本部門1位にも選ばれています。
「相手は宇喜多の娘だ。それを嫁に迎えるなど、家中で毒蛇を放し飼いにするようなものぞ」
(『宇喜多の捨て嫁』より)
木下昌輝(きのしたまさき)さんの『宇喜多の捨て嫁』は、捨て駒として後藤勝基に嫁がされた四女・於葉の物語である表題作をはじめ、戦国時代の梟雄・宇喜多直家を取り巻く人物たちを描く6篇を通じて、下剋上で成り上がっていった直家の実像を浮かび上がらせています。