いずみ光さんの文庫書き下ろし時代小説、『用心棒無名剣 旗本斬り』がコスミック・時代文庫から刊行されました。
「俺に名はない。野良犬だ」
黒紋付に黒の袴という黒ずくめのいで立ち、腰に一振りの豪剣、同田貫を帯びていたのは、五尺七寸はあろうかという長身の浪人であった。
同道するでもなく、若侍の海津七郎太、僧侶の抜山と、行く当てもない旅を続けていたが、この浪人の素性や名を知る者はいなかったのである。
無頼で人とのかかわりを避けているように見える浪人であるが、道義に反する者を許せず、その行く先々で用心棒と化し、豪剣を振るっていた。
そして京の町で武家同士の斬り合いに遭遇。浪人は事件の原因がとある藩士と高級旗本の諍いにあることを知る……。
『用心棒無名剣 だんだら染』に続く、シリーズ2作目。
名無しの浪人と若侍の七郎太、僧侶の抜山は、幕末の京の町に現れます。
京の市井に暮らし、人々とかかわりを持ち、事件に巻き込まれていきます。
斎藤一、永倉新八ら、新選組の隊士たちも登場します。
名無しの浪人が、幕末の京でどのような活躍を見せるのか、愉しみでなりません。
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『用心棒無名剣 旗本斬り』
『用心棒無名剣 だんだら染』(シリーズ第1作)