井の中の井守(いのなかのいもり)さんの『信長の妹が俺の嫁 2 戦国時代に架ける心と明日』がフロンティアワークスのノクスノベルスから刊行されました。
パラレルワールドの戦国時代を描く歴史ファンタジーの第2弾です。
戦国時代に転移し、戦国大名“浅井長政”となってしまった男子学生、深井長政。彼は、信長の妹で絶世の美女“市姫”と濃密な毎日を送りつつ、浅井家の領地を拡大するため奔走していた。そして、自分が知っている史実との違いや魔物の存在により、彼はここはパラレルワールドの戦国時代であることを確信する。
長政は、戦国時代屈指の戦略家である“竹中半兵衛”を家臣団に加えるために、菩提山城に向かう。渋る半兵衛の説得のため、長政は三日間彼とともに生活することになったのだが、半兵衛には重要な秘密が隠されていた……。
前作では、主人公が戦国時代へのタイムスリップする歴史ファンタジー、と思って読み始めたところ、すぐに信長の妹・市姫といちゃいちゃを始めて面喰いました。成人向けのサービスカットといったところ。
ところが、この主人公の長政は、エッチのところだけでなく、領地の統治や敵国との戦闘でも、現代人の感覚と知恵を駆使して、名君ぶりを示して家臣たちの信望を集めていきます。
2作目では、浅井家伝来の名馬・帝釈白毛の飼育係である彦兵衛の幼い妹・久が新キャラクターとして登場します。彦兵衛は浅井久政の許から名刀“石割兼光”を密かに持ち出し、長政に提供したことから、久政に手討ちになります。長政は、彦兵衛の生家を訪れて久を引き取ります。
戦国時代屈指の軍師・竹中半兵衛も、意外な形で長政とかかわっていきます。
史実とは異なる、パラレルワールドの戦国時代が展開されていくところが面白いです。次の展開が読めずに、先へ先へとどんどんページを進めたくなります。
序盤の六閣家との籠城戦など、合戦シーンが丁寧に描かれていて、戦国時代小説のツボを押さえていて好感が持てます。
本書は、ライトノベルを卒業した、20代~50代の男性を読者対象にしているために、青年向けの暴力や性表現にも踏み込んでいます。
表紙装画や挿絵は、イラストレーターの“山田の性活が第一”さんが描き、作品の世界観をビジュアル化しています。時代小説が苦手という若い読者にもおすすめです。
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『信長の妹が俺の嫁 2 戦国時代に架ける心と明日』
『信長の妹が俺の嫁 戦国時代で愛する妻と楽しく生きよう!』