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隠密剣士のキャラクターが光る、映像化したい時代小説

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青い剣 隠密剣士 夏木新太郎加藤文(かとうあや)さんの『青い剣 隠密剣士 夏木新太郎』(大和書房・だいわ文庫)は、2016年11月に刊行された文庫時代小説書き下ろしです。

「なぜ、父は死ななければならなかったのか――。
たまさか天から与えられた力のゆえに、並外れた剣の腕を持つひとりの若者。
友に恵まれ、少々“つまらない”が真面目な父を誇りに思う。そんな穏やかな日々が、前触れもなく崩れ去った。
すべてを失い、残された道は隠密として生きること。
隠密「夏木新太郎」としてたどりついた父の死の真相とは……。

著者の加藤文さんはドラマのシナリオなどを執筆され、本作が小説デビュー作です。
お父さんは、1985年(昭和60年)に急逝された、時代劇や任侠映画の名監督の加藤泰(かとうたい)さん。往年のテレビ時代劇「隠密剣士」の脚本でも活躍された方です。

本書の時代は文政七年(1824)、舞台は江戸。
山ノ内真之介は、並外れた剣の腕を持ち、前途洋々の若者。ところが、ある日、播磨国深山藩高辻家の江戸屋敷で勘定方をつとめる父は、公金横領の嫌疑をかけられて自裁してしまいます。
父を亡くし、家禄を没収され、すべてを失った真之介の前に、旗本・荻沼良之進が現れます。

「まず、山ノ内真之介殿には、この世から消えていただく」
「えっ?」
「消えるからには、身内であれ、どれほど親しく交わってきた者であれ、もうこの世で会うことは叶わぬ。お主は別人へと生まれ変わり、その身は公儀のものとなる。そして、隠密として働いてもらう」
(『青い剣 隠密剣士 夏木新太郎』P.52より)

一年後、真之介は、隠密・夏木新太郎として、探索の旅に出ます。

真之介の父の死の謎を抱えながら、ストーリーはどんどん展開していきます。登場人物たちのキャラクターも光り、今すぐに映像化できそうな作品です。

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『青い剣 隠密剣士 夏木新太郎』

加藤泰|ウィキペディア