『文蔵 2017.1』(PHP研究所・PHP文芸文庫)のブックガイドは、書店、作家から編集、校閲まで 「本をめぐる人々」の小説を楽しむ です。
小説の目利きである青木逸美さんが、本を作る職人たち「編集者」、本の紡ぎ手たち「小説家」、本のコンシェルジュ「書店員」と3つのテーマで、本に携わる人々の奮闘を描いた小説を紹介しています。
出版界がテーマなので、紹介されている作品は現代小説が中心です。小説の執筆に行き詰り失踪した江戸川乱歩の奇妙な四日間を描いた、久世光彦(くぜてるひこ)さんの『一九三四年冬―乱歩』が気になりました。
時代小説で編集者を描いた作品というと、天下の副将軍、徳川光圀が遅筆揃いの不届き執筆者たちの元へ、御自ら書物問屋のご隠居に身をやつし、直々に原稿の取り立ての旅に出る、痛快な珍道中ものの『水戸黄門 天下の副編集長』(月村了衛著・徳間書店)がおすすめです。
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『文蔵 2017.1』(PHP文芸文庫)