2016年12月1日から12月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2016年12月の新刊 上」を掲載しました。
今回注目しているのは幻冬舎時代小説文庫です。玉岡かおるさんの、『虹、つどうべし 別所一族ご無念御留』に注目しています。2013年11月に単行本として刊行された戦国時代小説の文庫化です。
天下統一へ突き進む織田信長の命を受け、播磨平定に乗り出した羽柴秀吉は、別所長治の抵抗に合い、戦国史上稀にみる悲惨な籠城戦を引き起こす。その最中、終戦工作のため、黒田官兵衛により秘かに城中へ送り込まれていた女間者の希久は悲惨を極める戦況を前に究極の選択を迫られる……。
別所長治の籠城戦は、秀吉の「三木の干し殺し」戦法として知られています。しかしながら、この戦いにフォーカスを当てた時代小説は多くありません。本書は、兵庫県三木市出身の玉岡さんの初めての時代小説で、哀歓に満ちたロマンあふれる作品です。敗者である別所氏の視点、立場から描かれた点でもとても気になっています。
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『虹、つどうべし 別所一族ご無念御留』