2016年11月21日から11月30日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2016年11月の新刊 下」を掲載しました。
今回注目しているのは角川文庫です。高井忍さんの、『名刀月影伝』に注目しています。著者の高井さんは、『柳生十兵衛秘剣考』や『漂流巌流島』(いずれも創元推理文庫)など、歴史ミステリーで活躍する気になる作家の一人です。
「天下に小烏丸はただひと振り」藩主松平定信の一言から、白河藩の山本助十郎と絵師の林幹之助は、平家ゆかりの宝剣小烏丸の真贋吟味を命じられる。ふた振りある小烏丸のいずれが真物なのか……。その後、定信が編纂する古宝物図録集『集古十種』に収録する刀剣の調査のために、上方入りした二人は、粟田口則国が奉納された八幡宮で放火事件に遭遇する……。三条宗近、正宗など世に名高い名刀の消息を訪ねる二人旅が始まる。
小烏丸(こがらすまる)とは、平家一門の家宝であり、刀工「天国」(あまくに)作と伝えられる日本刀。平家伝来の小烏丸とは別に、複数の同名刀が存在するとも言われています。小烏丸は、黒鉄ヒロシさんの歴画『単刀直入伝 刀譚剣記』にも登場し、その伝説が気になっていた刀剣でした。
名刀好きというほどではありませんが、三条宗近、粟田口則国、五郎入道正宗など、世に名高い名刀の真贋を見定める旅というキャッチコピーに惹かれます。
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『名刀月影伝』
『柳生十兵衛秘剣考』
『漂流巌流島』
『単刀直入伝 刀譚剣記』(黒鉄ヒロシ・PHP研究所)