休暇を利用して、山梨県甲府市を訪ねました。甲府市といえば、戦国武将・武田信玄の名がまず頭に浮かびます。甲府駅前にも巨大な信玄公(地元山梨では「公」の称号を付けて今でも敬意を表しています)の銅像がランドマークとして街を見守るように鎮座しています。
そして、武田信玄公が神として祀られているのが、武田神社です。
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武田神社は、大正四年(1915)、大正天皇即位に際し、信玄公に従三位追贈が奉告されたのを契機に、その遺徳を慕う県民により武田神社創建の気運が盛り上がり、大正八年に創建された比較的新しい神社です。しかしながら、その場所は、信玄公の父・信虎により永正十六年(1519年)に石和より移された居館(躑躅ヶ崎館)の跡地になります。
躑躅ヶ崎館は、信虎、信玄、勝頼と武田氏三代六十年余にわたり、軍政の中心でした。古を思うと感慨深いものがあります。神社の宝物殿には、信玄公の正室の末裔である三條家より寄進された「吉岡一文字」の太刀のほか、「風林火山」の旗指物、軍扇や金小実南蛮胴具足などが展示されていました。
また、武田神社の南東には、甲斐善光寺(定額山善光寺)もあります。こちらは、信濃善光寺の本尊阿弥陀如来や寺宝が川中島合戦で焼失することを恐れた信玄公が甲斐に持ち帰って、寺を創建したことに由来します。
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武田家の興亡を描いた戦国時代小説を読んで、兵(つわもの)どもの夢の跡に思いをめぐらしたいと思いました。
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『武田家滅亡』(伊東潤著・角川文庫)
『信玄の軍配者(上)』(富樫倫太郎著・中公文庫)