講談社文庫刊行の、芝村凉也(しばむらりょうや)さんの『素浪人半四郎百鬼夜行(七) 邂逅の紅蓮(かいこうのぐれん)』の帯に、「ウェブサイト「時代小説SHOW」2015年度書き下ろし時代小説1位」の文字を入れていただきました。
江戸の町を彷徨う浪人・榊半四郎と、謎の老人聊異斎と不思議な力をもつ子供捨吉の3人組が江戸の怪異を退治する、「素浪人半四郎百鬼夜行」シリーズ。市井物と怪異と伝奇、そしてチャンバラまで楽しめて、読み味も爽快な点がお気に入りで、2015年度の書き下ろし時代小説で1位に推していました。
聊異斎と捨吉に逃げられ、半四郎を我が手に引き込む画策を続ける田沼意次。浅間山噴火の報を聞き、家臣の半蔵に暗躍を命じる松平定信。江戸を離れた聊異斎と捨吉が潜むのは、噴煙が舞い山鬼の出没する浅間山麓の村であった。かの地で二人の命が狙われていると知った半四郎は、運命の地へ急ぐ……。
七巻の『邂逅の紅蓮』では、半四郎と聊異斎、捨吉の江戸のゴーストバスターズとも言うべき三人組は、地が揺れ、山が割れて煙が盛大に噴き出す浅間山に集結します。三人の命を狙う田沼家の家臣たちも、地元の藩の手を借りながら、壮大な包囲網を引きます。
今回の見どころは、半四郎の前に、最強の敵・桟崎武太夫を彷彿させる凄腕の刺客・涸沼源二郎(ひぬまげんじろう)が立ちふさがります。また、田沼家を追い落とすために、半四郎らを時に惑わせ、時には助ける半蔵配下の忍びたちの暗躍ぶりも注目です。
2016年9月の新刊として、まもなく刊行される『素浪人半四郎百鬼夜行(八) 終焉の百鬼行』では、浅間山の噴火はますます激しさを増すようです。三人の運命の行方が気になります。
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『素浪人半四郎百鬼夜行(七) 邂逅の紅蓮』
『素浪人半四郎百鬼夜行(八) 終焉の百鬼行』