栗本薫(くりもとかおる)さんの傑作時代小説、『神州日月変(上)』を入手しました。Amazonの「夏☆電書」上下巻&合本フェアで、隆慶一郎さんの『新装版 捨て童子・松平忠輝(上)』とともに、衝動的にポチっとしました。
江戸で評判の美女が次々神隠しにあった。娘達はすべて十八歳で人気絵師清春の姿絵になったという共通点があった。事件を追う同心古河雷四郎を取巻く妖気の正体は……。
栗本薫さんは、2009年5月にすい臓がんのため亡くなられています。『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞を受賞し、100巻を超えるヒロイック・ファンタジー小説「グイン・サーガ」シリーズで知られる人気作家でした。SFや青春小説も書かれていますが、時代小説でも傑作を発表されています。文庫版は絶版(もしくは品切れ増刷未定)になっているようなので、電子書籍(Kindle本)で読めることはありがたいです。
女形の嵐夢之丞を主人公とする「お役者捕物帖」や本書はその代表作です。冒頭から鵺を駆使する妖術遣いの乱月斎やら日輪道人やらが登場し、驚天動地の物語が饒舌な文体とともに紡がれていき、栗本ワールドにどっぷり浸れます。
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『神州日月変(上)』Kindle本
『神州日月変(下)』Kindle本
『地獄島 お役者捕物帖』