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喜安幸夫さんの文庫『流離の姫 用心棒 若杉兵庫』の解説を書きました

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流離の姫 用心棒 若杉兵庫喜安幸夫(きやすゆきお)さんの書き下ろし時代小説、『流離の姫 用心棒 若杉兵庫』が角川文庫より刊行されました。

加賀藩腰物奉行で剣の達人でもある若杉兵庫は、藩主・前田斉泰から極秘の主命を受けた。それは若き頃、情を通じた女性の探索。だが、彼女は既に亡くなっており、斉泰との子・千鶴が出生の秘密を知らずに、町娘として音羽町の長屋で暮らしていることを突き止めた。千鶴を密かに護れ、と命じられた兵庫は長屋の近くに住んで用心棒となる。凶盗・夜烏組や斉泰の正室・溶姫の魔の手から、加賀百万石の姫を護る日々が始まった……。

物語は、十七年前に板橋の山中での出来事、十年前に品川の両替商が見舞われた惨劇、そして今(弘化元年)進行中の事件が、複雑に絡み合いながらも、テンポよく展開していきます。ご落胤話を基調にしながらも、人探しあり、長屋の人情あり、チャンバラありの正統派時代小説です。

喜安さんは、池波正太郎さんや平岩弓枝さんら錚々たる作家を輩出した、歴史時代小説の勉強会「新鷹会」出身です。「大江戸番太郎事件帳」シリーズや「隠密家族」シリーズなどの著作があります。本書はそんな江戸の風物や歴史、考証に精通した作家による、江戸ロマンあふれる時代小説。作品を通して、江戸にタイムスリップできそうです。

「流離」と「理流」、音が似ていますが、今回、なんと、本書巻末の解説を書かせていただきました。ぜひ、書店で手に取って、拙文を読んでください。

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『流離の姫 用心棒 若杉兵庫』
『大江戸番太郎事件帳 木戸の闇裁き』
『隠密家族』