ゴールデンウィークの連休中に、東京・鶴川にある旧白洲次郎・正子邸、武相荘(ぶあいそう)に行ってきました。
白洲家が昭和十八年(1943)に移り住んで以来、六十年近く一度も引っ越しせずに暮らした住居跡は、そのまま保存され、2015年より、散策路とカフェ&レストランができて、正子氏の価値観を体感できる場所になっています。(家族が正子氏のライフスタイルに激しく共感していました。)
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白洲次郎(しらすじろう)氏は兵庫県芦屋生まれ、若くしてイギリスに留学し、ケンブリッジ大学に学んでいます。戦後は吉田茂に請われてGHQとの折衝に当たり、「従順ならざる唯一の日本人」と評され、その後いくつかの会社の経営に携わりました。
正子(まさこ)氏は、樺山伯爵家の次女として東京に生まれ、14歳のとき女性として初めて能の舞台に立ち、アメリカのハートリッジスクールへの留学後、次郎氏と結婚し、二男一女を得ています。戦後に文学、骨董の世界に踏み込み、卓越した審美眼と「韋駄天お正」と呼ばれるほどの行動派で、自分の眼で見、足を運んで執筆する姿勢で、優れたエッセイ集を残しています。
正子氏の著作の中で、歴史好きとして押さえておきたい作品が『西行』です。歴史評伝であり、西行ゆかりの地をめぐる紀行文でもあります。
次郎氏の生涯は、2009年にNHKドラマスペシャル「白洲次郎」として、伊勢谷友介さんの主演で映像化されています(中谷美紀さんが正子を演じています)。
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『西行』(白洲正子・新潮文庫)