歴史家の安藤優一郎さんの『「幕末維新」の不都合な真実』がPHP文庫より刊行されました。
幕末維新のターニングポイントとなった「江戸城無血開城」。江戸を壊滅から救い、日本の内乱を最小限に抑えた大英断は、今も美談として高く評価されています。果たして、本当にそうだったのでしょうか。
本書は、この交渉の中心人物である西郷隆盛と勝海舟に注目し、江戸をめぐる攻防戦に秘められた数々の“不都合な真実”を取り上げていきます。
鳥羽・伏見の戦い後も情勢は混沌としていた。江戸城の無血開城後も情勢は混沌。どちらに勝利の女神がほほ笑むかは分からなかった。
なぜなら、海舟の巻き返しに遭った西郷たちは「江戸城を徳川家に返還する」ことまで覚悟したからである。そんな情勢を一変させたのが、江戸で勃発した“彰義隊の戦い”だった。
(『「幕末維新」の不都合な真実』P.5 序論 “不都合”が覆い隠す「江戸城無血開城」ストーリー より)
予定調和のストーリーで語られがちな関ヶ原合戦に新しい歴史解釈を加えた『「関ヶ原合戦」の不都合な真実』に次ぐ、最新の研究をもとに歴史の実像に迫る“不都合な真実”シリーズの第2弾です。
【追記】4月10日付けの朝日新聞の天声人語で、安藤優一郎さんの『大名行列の秘密』が記事に引用されました。(2016.4.10)
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『「幕末維新」の不都合な真実』
『「関ヶ原合戦」の不都合な真実』
『大名行列の秘密』(NHK出版 生活人新書)
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