風野真知雄さんの本格歴史小説『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA発行・単行本)。
時は戦国時代末期。越中を支配する佐々成政は、天下取り目前の羽柴秀吉の野望を挫くため、孤軍奮闘していた。そして小牧・長久手の戦いで秀吉軍を退けた徳川家康に、今後も直談判することを決意。厳冬期、越中から飛騨山脈を越えて、家康のいる浜松へ向かう……。
「妻は、くノ一」や「耳袋秘帖」、最近では「隠密 味見方同心」などの文庫書き下ろし時代小説シリーズが人気の風野真知雄さん。『水の城 いまだ落城せず』や『奇策 北の関ケ原・福島城松川の合戦』などの著作のある、戦国時代小説の名手でもあります。
本書では、秀吉をライバル視していた戦国武将・佐々成政が成し遂げた、厳冬期の北アルプス越えという、日本登山史に残るような快挙を描いています。今から400年以上も昔、十分な装備もない中、どのように雪山を越えていたったのか、成政の無謀な挑戦はいかにして行われたのか、気になって仕方がありません。
2015年、風野さんはこの作品で第21回中山義秀文学賞を受賞されています。
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『沙羅沙羅越え』
『水の城 いまだ落城せず』
『奇策 北の関ケ原・福島城松川の合戦』