新進気鋭の時代小説家、福原俊彦さんの『書物奉行、江戸を奔る! 行人坂大火の策謀』が朝日文庫より刊行されました。幕府の書物奉行を務める若き旗本・篠山辰之丞が活躍する、『新井白石の秘文書』に続く、シリーズ第2作目。
幕府所蔵の書物・文書を管理して保護する、若き書物奉行・篠山辰之丞は、裏の役目として田沼意次の密偵を務めていた。目黒行人坂を火元とする大火事が江戸の町を灰燼に帰し、付け火が原因との噂も流れる。辰之丞は、学者の文二郎や火盗賊改方頭・長谷川平蔵の助けを借りて、探索に乗り出すが……。
行人坂の大火は、明和九年二月に目黒行人坂(ぎょうにんざか)にあった大円寺を火元とて発生したことから明和の大火とも呼ばれ、明暦の大火、文化の大火と江戸の三大大火に数えられます。
大火の黒幕は、田沼意次!? 大火の一件が、意次と辰之丞の主従の絆を揺るがせることに―。文庫本も帯を読んでいたら、どのように大火が物語の中に取り込まれていくか、先を読み進めたい思いに駆られました。
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『書物奉行、江戸を奔る! 行人坂大火の策謀』
『書物奉行、江戸を奔る! 新井白石の秘文書』
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