福原俊彦さんの『異国の御馳走 家斉の料理番』が宝島社文庫より刊行されました。『家斉の料理番』に続くシリーズ第2弾です。
御膳奉行の藤村幸之進は、将軍徳川家斉の毎日の献立決めと毒見など食事を差配する役目を担っている。裏では、美食家の家斉のために、将軍の立場では食すことができない料理を密かに振る舞う役目も務めている。
藤村幸之進は、「西洋の料理を食うてみたいのう」という、家斉の無茶な願いにこたえるために奔走する……。
将軍の普段の食事は質素で、魚介類は毎食付きますが、肉はほとんど付きませんでした。しかも、歴代将軍の命日には、精進日として魚肉類は食膳に上らなかったそうです。ネギ、ニラ、ニンニクの野菜、サンマ、イワシ、マグロ、アサリなどの魚介類、天ぷら、油揚げ、納豆などは、献立に使われませんでした。
こうした将軍の食事事情を知ると、将軍がお忍びで美食を楽しむという本書の設定の面白さも楽しめます。
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『異国の御馳走 家斉の料理番』
『家斉の料理番』