福原俊彦さんの『白石と大老暗殺 火の子 燃ゆ』がKADOKAWA・角川文庫より刊行されました。
貞享元年、若き新井白石は学識を認められ、大老・堀田正俊に仕えていた。だが、正俊は江戸城中で若年寄・稲葉正休に刺殺される。事件から二年、人付き合いも世渡りも苦手な白石は、亡き主君への恩義と事件への疑念を抱きながら堀田家に仕え続けていた。ある日、白石は元稲葉家の医者が辻斬りされる現場に出くわす……。
新井白石が、大老暗殺事件とのつながりを直感し、辻斬り事件を調べはじめていきます。学者然とする前の、若き日の白石の弾けぶりが新鮮です。福原さんの時代小説では、『書物奉行、江戸を奔る! 新井白石の秘文書』という作品もおすすめです。
新井白石を描いた時代小説というと、藤沢周平さんの『市塵』や上田秀人さんの『勘定吟味役異聞 破斬』が思い出されます。また、中路啓太さんの『火ノ児の剣』は、若き日の白石を描いた傑作小説です。
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『白石と大老暗殺 火の子 燃ゆ』
『書物奉行、江戸を奔る! 新井白石の秘文書』
『新装版 市塵 上』(藤沢周平著・講談社文庫)
『勘定吟味役異聞 破斬』(上田秀人著・光文社文庫)
『火ノ児の剣』(中路啓太著・講談社文庫)