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新進作家の新感覚時代小説が魅力の招き猫文庫7月の新刊

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うばかわ姫ライトノベルや漫画原作などで活躍する実力派の作家たちによる、一般向けの文庫書き下ろし時代小説を中心とした、白泉社招き猫文庫から今月も5点の新刊がリリースされました。魅力的なキャラクター造形、イマジネーション豊かなストーリー展開で、新感覚の時代小説が堪能できます。

越水利江子(こしみずりえこ)さんの『うばかわ姫』は、誰もが羨む美貌の少女、野朱は、ある日老婆との出会いをきっかけに、一夜にして醜い老女へと変貌してしまう。女の業と幸せを描く時代小説。

深沢美潮(ふかざわみしお)さんの『ぷらっと黄表紙 夜涼の顔』は、貸本屋の虎吉は、浅草寺門前の看板娘のおれんから、「花番付」騒動の相談を持ち掛けられた後、事件が起こる。戯作者の九玲彬とともに、真相究明に乗り出す……。

小林典雅(こばやしてんが)さんの『三匹の守役』は、文政の江戸を舞台に繰り広げられる子育て侍奮闘記。舞谷藩江戸詰めの取り柄のない三人の藩士が、藩主の側室の二歳になる若君を市中で育てることに。

知野みさき(ちのみさき)さんの『神田職人町縁はじめ しろとましろ』は、小物に手の込んだ刺繍を施す、腕の良い縫箔師、咲をヒロインに、刺繍や意匠をきっかけに不思議な縁を紡いでいく、人情時代小説です。

富沢義彦さんと松田朱夏さんの『ジロキチ 新説鼠伝』は、新解釈で蘇った“鼠小僧”の活躍を描きます。家斉の治世に、救世主のように現れた盗人、次郎吉は、盗んだ金子を誤って長屋にばら撒いたことから英雄視される羽目になってしまった。

今月も新しい時代小説の書き手に出会えれば、うれしいです。

→白泉社招き猫文庫