幕末の「天誅組」を描いた、植松三十里(うえまつみどり)さんの最新歴史時代小説、『志士の峠』が単行本で刊行されました。
文久三年(1863)、帝の威光を示す行幸の先鋒隊を命じられた公家の中山忠光は、吉村寅太郎ら勤王志士と大和で挙兵した。五条の代官所を襲撃し新政府樹立を宣言するが、親幕派の公家や薩摩藩などにより朝敵とされ、幕府方大軍からは猛追を受ける……。
植松三十里さんは、歴史的に評価の低い人物に注目して、その声を代弁し事績を明らかにしてきました。最新作では、明治維新のさきがけとなった「天誅組」を取り上げ、若きリーダー中山忠光にスポットライトを当てています。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」にも「天誅組」は登場するかもしれませんが、その知られざる歴史に触れ、四十日間にわたる激闘と若い志士たちの人間模様を堪能したいと思います。