谺雄一郎さんの『顔のない幽霊 泣き虫同心』を時代小説ブックガイドにアップしました。
涙もろくて女子が苦手で、ぼやきばかりの二十六歳。八丁堀で一番の“ヘタレ男子”、小田桐左近が活躍する捕物小説第2弾。
本書は捕物小説のスタイルを取っていて、謎解きやキャラクター造形に重点が置かれて、伝奇色は薄れています。とはいえ、複層構造のストーリー展開や登場人物たちの会話に加えて、随所に江戸の風物や慣習を織り交ぜており、一級の捕物時代小説として楽しめます。
(更新日:2015年3月22日、全1176タイトル)⇒「時代小説ブックガイド・目次」)