藤村与一郎さんの『将軍の切り花 帳合屋音次郎取引始末』を時代小説ブックガイドにアップしました。
本書は、ヒーローが胸のすく痛快な活躍を見せる痛快時代小説であるが、江戸の商いをテーマにした商業小説としても大いに楽しめる。
物語の冒頭で、音次郎がシテ役(主役で先鋒役)を務める帳合屋の津国屋は、仙台藩の米の横持ち(運搬)を、深川に本拠を置く車宿(運送業者)の江戸陸に代わって扱いたいという、藤丸屋からの帳合を見事に果たして、米価の高騰で苦しむ江戸の庶民を救う。
(更新日:2013年9月16日、全1149タイトル)⇒「時代小説ブックガイド・目次」)