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地図、切絵図出版の人文社の閉業を淋しく思う

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江戸時代小説はやわかり―江戸の暮らしがよく分かる地図や古地図を専業とする出版社、人文社が2013年8月末日を事業を停止し、閉業した。

尾張屋清七板の切絵図を収録した、『嘉永・慶応 江戸切絵図〈1〉―江戸・東京今昔切絵図散歩 尾張屋清七板 (古地図ライブラリー)』など、切絵図のデータを忠実に再現して美麗で、一時期、時代小説を読む傍らに置いて、製本がバラバラになるほど愛用したものだ。

また、同社刊行の『江戸時代小説はやわかり―江戸の暮らしがよく分かる』で、切絵図のスポットに関連したコラムを書かせていたことも懐かしい記憶として残っている。古地図と時代小説のカップリングは楽しい企画だった。

ニュースからは倒産の理由はよくわからないが、出版不況に加え、地図のデジタル化、インターネットによる無料提供化が進み、地図の紙による出版が厳しくなってしまったことも要因になっているのだろうか。

古地図に愛情をもって大切に扱ってきた人文社の閉業はとても淋しく残念に思う。