今日、組閣が行われ、認証式を経て、野田内閣がスタートした。
昨日(9月1日)の朝日新聞の天声人語で、野田新総理の好きな小説家として、司馬遼太郎さん、藤沢周平さん、山本周五郎さんの3人を挙げていることに触れていた。
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時代小説クラスタとして、このベスト3のセレクションについて触れてみたい。
新総理に選ばれたタイミングでは、この3人の挙げ方は、絶妙なバランス感覚だと思う。記号的にみると、司馬遼太郎さん=経営者(リーダー)vs.藤沢周平さん=新橋のサラリーマンという図式に、山本周五郎さんの庶民性(人情社会派)をブレンドしたところ。
天声人語氏は、「3人の小説には、夢、矜持、人情という、政治家に必須な資質が凝縮されているからだ」とまとめている。
もし、山本周五郎さんの代わりに、池波正太郎さんを挙げていたら、単なる時代小説好きとしてくくられて終わってしまっただろう。面白みのないセレクションともいえるが、この流れで、山田風太郎さんや荒山徹さん、隆慶一郎さんらの伝奇系の人は挙げにくいしなあ。
ただ、Under 40の若い人には、山本周五郎さんを挙げた意図は伝わりにくいかも。まあ、若い人にはその代わりに、執行部はMF(ミッドフィルダー)型でやってほしいというコメントを使ったのかも。
3人の小説家が、いずれも故人で評価が定まった人というのも、安定している。影響力のある立場なので現役の作家は挙げにくいだろうし。総理には今度は、お気に入りの本(時代小説作品)を答えてほしいと思う。そうしたら、もう少し意図や嗜好がわかるだろうな。
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