地図の人文社から、『大江戸地図帳』が発売された。文庫サイズで江戸の町歩きのときに持ち歩くのにちょうどいい。
本書に掲載されている古地図は、「天保改正 御江戸大絵図」で、墨に加えて赤・緑・青・黄・褐色・灰色の六色を使った木版刷りで、その雰囲気を再現するために地図部分はカラー印刷になっている。「天保改正 御江戸大絵図」は、iPhoneアプリの「TOKYO古地図」でも使われている。
古地図については44のエリアに分割して、1エリアごとに見開きページで掲載しているので、武家屋敷の細かい文字の表示も読み取れる。
また、広域図は現在のJR山手線や東京メトロ、私鉄の路線を重ねているので、江戸の地名に慣れていない人でも大体の場所が把握できる工夫がされているのもうれしい。
後半では、江戸時代の基礎知識が解説されている。「時代小説副読本」とサブタイトルが付いているように、時代小説を詠む方におすすめしたい。