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江戸切絵図をかたわらに白金村周辺に思いをはせる

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鈴木英治さんの『手習重兵衛 闇討ち斬』を読んでいる。麻布から白金辺りを舞台にした、時代小説を探していて、本書のことを思い出して読み始めている。

主人公の重兵衛は、新堀川の土手で行き倒れになっているところを手習い所師匠の宗太夫に助けられ、居候として暮らすことになる。

 宗太夫の家のすぐ西側が武家屋敷になっている。
「下野大田原家の下屋敷だ。一万千四百石というから、小さなお家だな。南側に見えるのは、寄合の戸田さまのお屋敷だ。両方とも二千坪はくだらんぞ」
(『手習い重兵衛 闇討ち斬』P.34より)

作品の舞台となった白金村周辺は土地勘がないので、江戸切絵図をかたわらに置きながら読んでいる。風光明媚な土地といわれているということで、目の前にのどかな風景が浮かんでくる。景色がいいために、大名や大身の旗本の下屋敷や抱屋敷が多く点在している。

たまには江戸の郊外を舞台にした時代小説を楽しむのもいいなあと思う。

手習重兵衛 闇討ち斬 (中公文庫)

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