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ドラマ化され、ますます快調な「鎌倉河岸捕物控」

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佐伯泰英さんの『八丁堀の火事』を読みました。「鎌倉河岸捕物控」シリーズの第16作目です。

幼なじみの秋乃の死を乗り越えるために禅修行に行っていた彦四郎が戻り、入れ替わりで亮吉が探索のため吉原に居残りをすることになります。喜び勇んで吉原に行った亮吉でしたが…。

また、奉行の進退問題にもかかわりかねない、八丁堀での火事の真相を解明するために、宗五郎と政次が探索にかかるところもヤマ場のひとつです。支配違いの南町奉行根岸肥前守鎮衛までが宗五郎の手腕に期待するところが面白いです。

■彦四郎が禅宗の寺での修行から戻り、いつも通りの平穏が鎌倉河岸に戻ってきたころ、金座裏の宗五郎のもとに富沢町の古着商の元締め、伊勢元の若旦那が、吉原に居残りをして下働きをしているのだという。連れ戻してほしいと頼まれた宗五郎は、亮吉を吉原に送り込むが…。

一方、八丁堀で火の手が上がり、奔走する宗五郎と政次。出火元は与力の須藤家からのものだった。奉行の進退に影響しかねない事態に、密命を受けた宗五郎と政次は、南北両奉行のお墨付きを得て探索にかかった…。

●目次

第一話 居残り亮吉

第二話 八丁堀の火事

第三話 妾と悪党

第四話 鳥越明神の賭場

第五話 富沢町娘の行列

『八丁堀の火事 鎌倉河岸捕物控 <十六の巻>』

佐伯泰英・著

角川春樹事務所

時代小説文庫

305ページ

2010年4月18日第一刷発行

装画:浅野隆広

装幀:芦澤泰偉事務所

時代:南町奉行根岸肥前守鎮衛、北町奉行小田切直年のころ

場所:鎌倉河岸、吉原、金座裏、八丁堀、楓河岸、深川万年町、深川西平野町、青物役所、鳥越明神、三味線堀、富沢町、六郷の渡し場