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江戸を震撼させた「闇」の残党がまた―『新たな敵』

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最近、仕事のほうが一段落付き、自分の時間が少し持てるようになった。しかしながら、ブログについては怠け癖が付いてしまい、エントリーを怠り気味で申し訳なく思っている。ブログは書き慣れることが大切であるが、たまにしか書かなくなったことで、ブログを書くときに構えすぎて自分でハードルを上げてしまって書けなくなっているように思う。もう少し、自由に書かないと長続きがしなくなる。

荒崎一海(あらさきかずみ)さんの『定町廻り捕物帖 新たな敵』は半月ほど前に読んだ本である。本当はもう少し早くブログにアップすべき本なのだが…。

新たな敵―定町廻り捕物帖 (徳間文庫 あ 43-9)

新たな敵―定町廻り捕物帖 (徳間文庫 あ 43-9)

『新たな敵』は、荒崎さんの人気シリーズ「闇を斬る」が7作で完結した後に始まった「定町廻り捕物帖」シリーズの第2作目。「闇を斬る」は、江戸の町を震撼させて幕府の屋台骨を根元から揺るがす、謎の徒党“闇”の大陰謀に巻き込まれた、元今治藩松平藩士で鷹森真九郎が活躍するシリーズだ。“闇”が次々と放つ刺客に、得意の直心影流の剣で立ち向かう真九郎のチャンバラシーンが圧巻で、読み終わった後にカタルシスが残る作品だ。

闇を斬る―直心影流龍尾の舞い (徳間文庫)

闇を斬る―直心影流龍尾の舞い (徳間文庫)

さて、「定町廻り捕物帖」のほうは、「闇を斬る」シリーズの脇役であった、北町奉行所定町廻り同心・桜井琢馬を主人公にしている。第1作目の『おようの恋』では同心を主人公とした捕物帖らしく探索と謎解きのほうにウェートが移っていた。真九郎も登場したが脇に回った形で、彼のチャンバラのファンにはやや物足りなかった。ところが、2作目の『新たな敵』では、琢馬と真九郎のダブル主役という形で展開していく。

闇一味との抗争が終わり1年余り。真九郎が懇意にしていた香具師の元締・浅草の甚五郎一家の松造が何者かに殺された。ほかにも地廻りの子分が連続で殺された。数ヶ月前には娘たちがかどわかされる事件が起こった。江戸の町でよからぬことをたくらみ、蠢きはじめた。“闇”の生き残りか、勘がしきりにそう告げる…。

ああ、すごい。

スーパーヒールである、“闇”がまた戻ってくる。敵が強ければ強いほど、大きければ大きいほど、その対決が面白くなりヒーローが輝く。まさに、「闇を斬る」の続篇である。わくわくしながら、一気呵成に『新たな敵』を読んだ。しかもまだまだ序盤戦でこれからも「定町廻り捕物帖」シリーズから目が離せない。