山本兼一さんが『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞された。山本さんと担当された編集者、および関係者の皆さんに心より祝福したい。山本さんは、『火天の城』や『戦国秘録 白鷹伝』など、戦国時代の宮番匠(宮大工)や鷹匠といった一流技術者を主人公にした傑作を次々と発表されてきた。今回の作品では当時第一級の文化人であり、政治の中枢にいた千利休を取り上げ、切腹に至るまでの秀吉との相克と、利休のアイデンティティともいうべき美の真髄を明らかにしていくチャレンジングな試みで、出色の出来に仕上がっている。
- 作者: 山本兼一
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PHP研究所『利休にたずねよ』
利休にたずねよ | 山本兼一著 | 書籍 | PHP研究所
己れの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男・千利休。茶聖ではなく、人間利休に心魅かれる著者が、その謎に包まれた生涯を解き明かす。
時代小説が空前のブームになり、今回の直木賞では、『利休にたずねよ』のほかに、北重人さんの『汐のなごり』と葉室麟さんの『いのちなりけり』の計3作品が時代小説として候補になった。異例のことであり、時代小説ファンとしては喜ばしい限りである。北さん、葉室さんは今回は残念な結果になったが、次にはチャンスがあると思う。
- 作者: 北重人
- 出版社/メーカー: 徳間書店
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- 作者: 葉室麟
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山本さんの『火天の城』が、西田敏行さんの主演、田中光敏さん監督で映画化されて、2009年9月に公開予定とのこと。安土城がどのようにスクーリングに現れるのかちょっと気になるところがある。
映画『火天の城』公式サイト
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