新しめの時代小説を中心に追っかけているせいで、なかなか池波作品に触れることができずに、内心忸怩たるものを感じている。池波さんは時代小説にのめり込むようになったきっかけを与えてくれた作家の一人であるから、もっとブログで頻繁に取り上げたいところなのだが、そこまで手が回らないのが現状。
さて、PHP研究所から最新号の『文蔵 2008.3』が届いた。今月の特集は、『「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」 池波作品で「江戸情緒」を楽しむ』という、自分にピッタリのもの。作家の逢坂剛さんがインタビューで、作品の魅力やお父様で挿絵画家の中一弥さん(「剣客商売」の表紙装画の人)を通じて交流のある池波さんの思い出について語れていて興味深かった。三大シリーズの世界を「親子」「夫婦」「友情」「男女」「上下関係」「敵・仇」の6つのキーワードから解説する記事、作品の舞台となった江戸の名所・風景と作品を彩るヨダレモノの料理など、読んでいるだけで快い時間を送ることができた。
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忙しがらずに、久しぶりに池波作品を読んでみようと思う。今の気分は「鬼平」かな。