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江戸のビジネス事情について

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最近、時代小説をもっと理解するために江戸に関する読み物にも関心をもつようになった。江戸文化歴史検定受検を意識しているからかもしれないが…。中江克己さんの『お江戸の意外な商売事情』を読んだ。江戸庶民の生活を支え、充実させた多様な商売について、興味深いエピソードとともに紹介している。鋳掛屋(いかけや)、羅宇屋(らうや)、金魚売りなど今は消えてなくなった商売が多く、銭緡売り(ぜにさしうり)、蝋燭の流れ買い、猫の蚤取りなど、へえ~と思うユニークな商売もある。

本書は、「売」「買」「直」「衣」「食」「衛」「運」「貸」「楽」「季」という漢字一文字のキーワードで10分野に分類して、152の商売を紹介している。この分類のやりかたがよく考えられていて感心させられた。たとえば、「買」の章では、「紙屑買い」や「(傘の)古骨買い」など廃品回収業の商売を取り上げ、「直」では「瀬戸物焼き接ぎ」や「雪駄直し」などの修理業者を紹介している。

江戸のビジネスでリサイクル業が盛んだったことがよく伝わってくる。今後、時代小説を読む際に、ここで取り上げた商売が出てくると、より理解しやすくなると思う。